





ご自宅にいながらお電話・テレビ電話で相続放棄ができます
外出が困難な方、多忙で来所が難しい方、他の人に相続放棄手続きをしていることを知られたくない方々のため、当法人では来所不要(※)で相続放棄を完結するスキームをご用意しております。
お電話にて、相続放棄を得意とする弁護士が、相続放棄に関するお悩みを丁寧に伺います。
そして、相続放棄に必要な書類の作成及び収集,裁判所への書類提出、裁判所からの質問対応、債権者への対応等もすべてワンストップで行います。
郵送で契約書等のやり取りを行いますので,ご自宅にいながら相続放棄の手続を進められます。
相続放棄が完了した後は、裁判所から発行される相続放棄申述受理通知書を受け取ることができます。
※事案が複雑な場合は、ご来所いただいてお話を伺う必要があることもあります。






相続放棄における裁判所からの連絡
1 相続放棄は書類を提出しただけでは終わらない
相続放棄は,裁判所に対して相続放棄申述書や戸籍謄本類等の付属書類を提出することで開始されます。
裁判所が相続放棄申述書を受け付けると、相続放棄申述書の内容についての審査が開始されます。
この時点では、あくまでも、相続放棄の手続が開始されたにすぎず、未だ相続放棄の手続が完了したわけではありません。
裁判所は相続放棄の書類を審査し、必要に応じて申述人に対して質問状を送付することがあります。
質問状に回答しないと手続きが進みませんので、回答する必要があります。
回答次第では相続放棄の手続に影響が出るため、慎重に対応する必要があります。
回答を記した質問状を裁判所に返送すると、引き続き裁判所は審査を行います。
その結果、特に問題がないと判断されれば、相続放棄申述受理通知書が発行され、無事相続放棄手続は終了となります。
2 なぜ裁判所は質問状を送るのか
裁判所が質問状を送る目的は、次の2つであると考えられます。
① 申述人の真意に基づく手続きであるかを確認する
他の相続人が申述人になりすましていないか否かや、他の相続人から強要された相続放棄ではないかを確認します。
相続放棄をすると、はじめから相続人ではなくなります。
そのため、他に相続人がいる場合、その相続人の取り分が増えることから、なりすましや強要が発生する可能性があります。
そのため、このような確認がされます。
② 法定単純承認事由に該当する行為がないかを確認する
もう1つは,相続放棄が認められなくなる行為を行っていないかを確認することにあると考えられます。
具体的には、被相続人の財産を処分してしまったり、隠匿していたりしないかを確認します。
残置物を処分してしまった場合、それが相続財産の処分に該当するか否かが微妙であることもあります。
判断に迷った場合は、専門家に相談する方がよいでしょう。
相続放棄の期限について
1 「相続の開始を知った日」から3か月間
相続放棄の期限は、相続の開始を知った日から3か月間です。
この期間のことを、相続放棄の熟慮期間と呼ぶこともあります。
あくまでも、期限の起算点は相続の開始を「知った日」なので、相続が開始(被相続人が死亡)してから3か月以内ではないことに注意が必要です。
では、相続の開始を知った日について、具体例をいくつか挙げてみます。
2 看取った場合
最も典型的なものは、被相続人がお亡くなりになられた日に知った場合、例えば、看取った場合です。
被相続人がお亡くなりになられた日に知った場合、例えば、看取った場合です。
この場合、被相続人死亡日から3か月間が相続放棄の熟慮期間となります。
3 被相続人が死亡した旨の通知を受けた場合
次に、警察や市役所、債権者などから、被相続人死亡の連絡を受けた場合です。
被相続人と没交渉となっていたような場合、相続人の方は被相続人が死亡しても、すぐに知ることは少ないです。
そして、被相続人が孤独死していたり、生活保護を受けていた、または借金をしていたりすると、警察や市役所、債権者が相続人を調査し、被相続人死亡からある程度時間が経った後に、連絡が来ることがあります。
この場合、通知を受けた日が熟慮期間の起算点となります。
4 先順位の相続人が相続放棄をしたことを知った場合
別の類型として、先順位相続人が相続放棄をしたことの連絡を受けた場合です。
相続には順位があり、子、直系尊属(親など)、兄弟姉妹の順に相続が発生します。
第一順位の相続人である子がいないか、子全員が相続放棄をするまで、第二順位の相続人である直系尊属は相続人にはなりません。
子全員が相続放棄を完了して、初めて直系尊属は相続人となります。
子が相続放棄をした後、子本人やその代理人等から相続放棄をした旨の連絡を受けた日を以て、相続の開始を知った日となります。
そのため、この日から3か月間が熟慮期間となります。
相続放棄は具体的にどこで行うのか
1 相続放棄の手続
法律上の相続放棄を行う場合、相続放棄申述書というものを作成し、必要な書類を添付の上、収入印紙や予納郵券とともに裁判所へ提出します。
相続放棄は、裁判所で行う手続きであり、裁判所が相続放棄申述を受理してはじめて成立します。
(これに対して、他の相続人に対し、遺産を相続しない旨を伝え、そのような内容の遺産分割協議書を作成することがあります。これは法律上の相続放棄に対して、事実上の相続放棄と呼ばれることがあります。)
2 相続放棄手続を行う裁判所
相続放棄手続は、家事に関わる手続なので、家庭裁判所で行います。
どの家庭裁判所でも行えるわけではなく、書類提出先の家庭裁判所は決まっています。
相続放棄の書類を提出する先の裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所です。
被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所は、家庭裁判所のウェブサイトに記載されています。
3 被相続人の最後の住所地について
では、被相続人の最後の住所地とは、具体的にはどの住所のことでしょうか。
相続放棄の手続を行う際、相続放棄申述書の添付資料として、被相続人の住民票除票または戸籍の附票が必要となります。
この住民票除票または戸籍の附票には、被相続人の最後の住所地が書かれています。
この住所地をもって、被相続人の最後の住所地とされます。
ときおり、実際に被相続人が最後に住んでいた場所と、被相続人の住民票除票または戸籍の附票上の住所が異なっていることがあるので注意が必要です。
住民票除票は、住民票上の住所がわからないと請求・取得することができません。
そこで、被相続人の本籍地の市区町村に対して被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本を取得する際に、同時に戸籍の附票を取得してしまうことで、被相続人の最後の住所地が判明するので、管轄の裁判所の調査をすることができます。
次の相続人のことが気になる方へ
1 相続には順序がある
⑴ 相続人には、配偶者相続人と血族相続人の二系統があります。
このうち配偶者相続人、すなわち被相続人の配偶者は、常に相続人になります。
他方、血族相続人には順位があり、第1順位は被相続人の子、第2順位は被相続人の直系尊属、第3順位は被相続人の兄弟姉妹になります。
⑵ まず、被相続人に子がいる場合は、子が相続人となります。
子には実子のほか、養子も含みます。
被相続人に子がいない場合や、すべての子が相続放棄をした場合は、両親や祖父母などの直系尊属が相続人となります。
被相続人の直系尊属がすでに死亡している場合、またはすべての直系尊属が相続放棄をした場合は、兄弟姉妹が相続人となります。
被相続人と父母が同じ兄弟姉妹のほか、父母の一方が同じ兄弟姉妹も相続人となります。
2 次順位相続人の相続放棄
⑴ 先順位の相続人と次順位の相続人が同時に相続放棄の手続きを行うことはできません。
次順位の相続人は、先順位の相続人が全員相続放棄をしてはじめて相続人になるからです。
⑵ 次順位相続人の相続放棄の熟慮期間は、先順位の相続人全員が相続放棄をしたことを次順位相続人が知った時から開始します。
先順位の相続人全員が放棄をした時点から進行するわけではありません。
そのため、疎遠になりがちな第3順位の兄弟姉妹が先順位相続人の相続放棄によって相続人となる場合、被相続人の死亡から数年以上経過した後に自身が相続人となったことを知り、相続放棄の手続きを行うということも珍しくありません。
⑶ このように、次順位相続人の熟慮期間は先順位相続人が全員放棄をしたことを知った時から進行しますので、先順位の相続人が相続放棄を終えた後、次の順位の相続人への連絡をするタイミングには注意が必要です。
次順位相続人の方が海外にいたり、お仕事等で多忙な時期であったりすると、相続放棄手続を進めることが非常に大変になってしまうためです。
このような場合は、次順位相続人の状況に応じて連絡の時期を遅らせるとよいでしょう。
⑷ なお、相続放棄をした先順位相続人が被相続人の遺産を管理している場合は、遺産の管理を引き継いでもらうためにも次順位相続人への連絡は必要ですが、管理している遺産がない場合は、次順位相続人への連絡は必須とまでは言えません。
ただ、被相続人に負債がある場合、金融機関等から次順位相続人に連絡が行くことになるのが通常ですので、その連絡が行く前に、相続放棄の事実を知らせてあげるとよいでしょう(相続放棄を弁護士に委任している場合は、弁護士から連絡することも可能です)。
法律上の相続放棄と事実上の相続放棄
1 法律上の相続放棄
厳密な意味での相続放棄は、法律に定められた要件・手続きを満たして初めて実現します。
その効果は、はじめから相続人ではなかったことになることです。
すなわち、被相続人の財産(負債含む)に関し、法律上全く無関係になります(例外的に、管理義務が残ることはあります)。
法律上の相続放棄は、相続開始を知った日から3か月以内に、相続放棄の申述に必要な書類を収集・作成し、これらを管轄の裁判所へ提出した後、裁判所によって相続放棄が受理されることで実現します。
法律上の相続放棄は、相続開始を知った日から3か月以内という要件が必要であるため、被相続人の生前に行うことはできません。
相続は、被相続人の死亡によって開始されるためです。
なお、混同しやすい制度として、遺留分の放棄があります。
遺留分の放棄は、被相続人の生前に行うことが可能です。
ただし、裁判所の許可が必要であり、要件も厳格です。
2 事実上の相続放棄
法律用語ではありませんが、上記の法律上の相続放棄に対する概念として、事実上の相続放棄というものがあります。
これは、他の相続人に対して相続財産を取得しないことを伝えたり、何も相続しない旨の遺産分割協議(遺産分割協議書に署名押印はするが、財産の取得を定める条項には登場しない)を行うことの総称です。
法律上の相続放棄と事実上の相続放棄は、相続財産を取得しないという点では、効果は同一です。
他方、相続債務に関しては、法律上の相続放棄と、事実上の相続放棄とで大きく異なります。
法律上の相続放棄は、先述の通り、法的に相続人でなかったことになりますので、被相続人の負債(の一部)を負うことはありません。
しかし、事実上の相続放棄は、仮に相続人間においては相続債務を負わない旨を定めたとしても、これは相続人の間でしか効果がありません。
可分債権である金銭債権は、相続開始と同時に法定相続割合に応じて分割されますので、債権者からみると、すべての相続人に対し、それぞれの法定相続割合に応じて支払いを求めることができます。
相続放棄が認められなくなるケース
1 法定単純承認事由に該当する行為
相続放棄は、法定単純承認事由に該当する行為を行うと認められなくなる可能性があります。
相続財産の処分は、法定単純承認事由に該当する行為のひとつとされます。
相続財産の処分という言葉は抽象的で、広い意味を持ちますが、実務上よくあるケースとしては、相続財産の廃棄・売却・費消、遺産分割協議が挙げられます。
2 相続財産の廃棄・売却・費消
相続財産の廃棄・売却・費消は、いずれも「処分」に該当しえます。
売却とは、具体的には、不動産や、自動車、高級時計等の、価値のある財産を売却し、金銭に換えてしまう行為です。
もし売却してしまった後で相続放棄の手続を行わなければならなくなった場合、とにかくすぐに買手へ連絡し、錯誤を理由として元に戻してもらうよう相談しましょう(もっとも、相手のいる話なので、必ずしも元に戻せるとは限りませんので注意が必要です)。
費消については、典型的なものは、預貯金の払い戻しを受けて相続人自身のために使うことです。
これも基本的には処分にあたる行為となりますが、例外として、社会通念上相当な金額の範囲内で、被相続人の葬儀に使用することは認められています。
廃棄も、処分に該当します。
被相続人が生前使用していた衣類や家財道具などの日用品類の処理において問題になります。
実務上、換価価値がなく、むしろ処分にお金がかかる残置物については、財産的価値がないことから相続財産を形成しないと解釈し、廃棄をしても問題となることはほとんどありません。
しかし、明文や裁判例で明確に認められているわけではないので、注意が必要です。
3 遺産分割協議
遺産分割協議は、相続財産を取得する意思を表明する行為であるという趣旨から、処分と考えられています。
遺産分割協議を行ってしまうと、基本的に相続放棄は認められないことになります。
しかし、遺産分割協議を行ってしまった後になって多額の相続債務が発見されることもあります。
このような場合、仮に相続債務の存在を知っていたならば遺産分割協議をせずに相続放棄をしていたという事情が認められれば、錯誤を理由に遺産分割協議を無効とし(つまり法定単純承認事由に該当する行為がなかったことになる)、相続放棄が可能となると解釈される場合があります。
債権者対応もおまかせください
1 被相続人が借金をしていた場合
被相続人が貸金業者や銀行などからお金を借りていた場合があります(そして,このことを家族に内緒にしていることがよくあります)。
被相続人が亡くなると,支払いが止まるため,貸金業者や銀行などの債権者は,被相続人宛てに支払いを催促する手紙を送ったり,電話をかけたり,時には自宅を訪問したりすることがあります。
債権者側が被相続人死亡の事実を知らない場合は,被相続人の名義で書面等が送られてくることもあります。
このようなことがきっかけで,被相続人に相続債務が存在していることが判明します。
もっとも,具体的に請求を行ってきた債権者以外にも債権者がいるかもしれませんので,網羅的に債権者や債務額を調査するには,CICやJICCなどの信用情報機関へ問い合わせをすることになります。
2 相続放棄検討段階~相続放棄手続中の債権者対応
相続放棄をすることを決めた後の債権者対応は,2つ考えられます。
まず,一切無視するというものです。
もっとも,これはあまりお勧めしません。
債権者によっては相続人を相手に訴訟を提起することも考えられるためです。
そこで,一言,相続放棄を検討している旨を伝えておいた方がよいです。
相続放棄を弁護士にご依頼いただいていれば、その弁護士を通して伝えることもできます。
弁護士を通した方がよりスムーズに話が進むことも多いです。
3 相続放棄申述受理後
相続放棄申述が裁判所に受理されたことにより,相続放棄は完了します。
相続放棄が完了したら,その旨を上記の債権者へ伝えます。
通常,債権者は相続放棄の連絡を受けたことにより,回収不可能と判断して処理を進めます(この意味では,相続放棄が完了したことを伝えてあげるのはとても大切です)。
具体的には,相続放棄が完了した際に裁判所から交付される相続放棄申述受理通知書の写しを債権者に渡します。
FAXで対応している業者もあれば,郵送して欲しいという業者もいますので,要望に沿った対応をします。
債権者へ連絡することが怖いという方のため,弁護士法人心では,相続放棄に関する手続き完了後,債権者へ連絡の上,相続放棄申述受理通知書の写しを提供し,以降の請求が起きないようにするサービスも行っております。
相続放棄を検討されるとよい事例
1 債務超過
債務超過を理由に相続放棄をされる方は少なくありません。
不動産や預貯金等の資産はほぼなく,貸金業者からの借入やローン,税金の滞納等の負債のみが残っているということもよくあります。
また,相続放棄の場面で非常に多いのが,被相続人の遺品の中から貸金業者からの請求書が発見されるケースや,債権者を名乗る者から連絡が来たりしたことで,相続債務が存在することが判明するケースです。
こういったケースの場合,負債の全体像が明確ではなく,具体的に誰に対しどのくらいの相続債務が抱えているが不明なことが多いと言えます。
こういった「多額の負債を有しているおそれ」も相続放棄の理由となります。
2 相続に関わりたくない
他の相続人の中に,性格に難があり,話が全く通じず遺産分割協議が進められないような人がいる場合や,被相続人とは没交渉のまま長年離れた場所で暮らしている,あるいは被相続人が再婚して新しい家庭を持っていたため相続に踏み入りたくないため相続する気がない場合などにも,相続放棄手続を使うことができます。
このような場合,相続放棄が完了したら相続放棄申述受理通知書の写しなどを他の相続人に渡してあげた方が良いです。
遺産分割協議は,相続人全員で行わなければ効力を発生しませんので,相続放棄により相続人から外れた旨を客観的に証明できるようにしておく必要があるためです。
3 遺産を特定の相続人に集中させる
遺産分割協議でも,特定の相続人が全てを相続する(負債も負担する)とすることで,他の全ての相続人が相続放棄をしたのと似た効果を発生させることはできます。
もっとも,相続放棄と大きく異なる点が2つあります。
1つは,債務については,債権者には対抗できないという点です。
金銭債務は法定相続割合に応じて分割されます。
そのため,相続人間においては債務を特定の相続人が負担すると定めていても,債権者からみると,それぞれの相続人に対して,法律上は法定相続割合に対応した金額の請求ができてしまいます。
これを回避するには,債権者の同意のもと,免責的債務引受契約を締結するなどの対応をしなければなりません。
もう1つは,遺産分割協議後に新たに遺産が発見された場合,再度遺産分割協議を行わなければならないことです。
相続放棄であれば,法的にはじめから相続人でなかったことになりますので,上記2つの問題は根本的に解消されます。
先祖代々の土地を分散させないため等の理由で,家業を継ぐ相続人に負債も含めた全ての財産を集中させるという考えのもと,他の相続人全員が相続放棄をするということがあります。
相続放棄申述書提出後の注意点
1 相続放棄申述書提出後の流れ
相続放棄は,必要な書類を裁判所に提出することで手続きが開始されます。
あくまでも,手続きが開始されるにすぎません。
相続放棄申述書が提出されると,裁判所は,相続放棄を認めてよいか否かの審査を開始します。
実は相続放棄は,相続放棄申述書を提出した後にも手続きがあります。
具体的には,質問への回答と,審問です。
これらは,裁判所の裁量によって実施されるか否かが異なるため,必ずしも行われる手続きではありませんが,逆の見方をすれば起きうることですので,知っておくべきです。
2 質問への回答
審査開始後,裁判所は,申述人(相続放棄手続をしている相続人)に対し,質問状を送付します。
質問状を送る目的は,①相続放棄の申述が申述人の真意に基づくものであるか,②申述人が法定単純承認事由に該当する行為を行っていないか,を確認することであると考えられています。
質問状に記載されている質問は裁判所によって異なり,1,2問程度の簡単な質問しかしない場合もあれば,10問以上の質問がなされることもあります。
質問状の送付先は,多くの場合,次の3つのパターンのうちのどれかです。
①申述人本人に対し,申述人の住所へ送付する
②代理人弁護士がいる場合,代理人弁護士宛に送付する
③代理人弁護士がいる場合に限り,質問状を送らない
②のパターンであれば,代理人弁護士が回答を作成し,裁判所へ返送します。
③のパターンであった場合は,質問状対応の巧拙により相続放棄が認められなくなるリスクがありません。
質問状への回答の仕方次第では相続放棄が認められなくなる可能性もありますので,相続放棄における質問状対策は弁護士に相談しましょう。
3 審問
審問とは,裁判所が申述人や代理人を裁判所へ呼び(電話になることもあります),相続放棄に至る事情について,裁判官が質問をすることをいいます。
相続放棄において審問がなされることは少ないですが,法定単純承認事由に該当する行為が存在する可能性が高い場合など,裁判所が相続放棄を受理するべきか判断するために詳細な情報が必要とされる場合に開催されます。
審問になった場合,裁判官の質問に的確に回答する必要があり,かつ相続放棄申述書に記載した内容と矛盾がないようにしなければなりません。
審問になってしまった場合や,審問になることが予想されるような場合は,専門家に相談しましょう。
被相続人に関する金銭の請求について
1 被相続人に関して請求できる金銭
生命保険金,未支給年金,死亡退職金など,被相続人がお亡くなりになると,受取ることができるお金が発生することがあります。
しかし,これらの中には,相続放棄手続との関係においては,請求したり受け取ったりしてよいものと,そうでないと考えられるものがあり注意が必要です。
法律構成も複雑なものがあるため,相続放棄を検討されている方にとって,これが最も悩ましいものの一つとなります。
2 金銭を請求して受取るべきか否か
⑴ 法定単純承認事由に該当する行為
法定単純承認事由に該当する行為を行うと,相続放棄が認められません。
法定単純承認事由に該当する行為の一つとして,債権の取り立てがあります。
被相続人の債権について,請求できる権利を行使してお金を受取ることは債権の取立てになります。
被相続人が亡くなられたことに伴って請求できる金銭が,被相続人の債権に基づくものである場合,受取ると法定単純承認事由に該当する可能性が生じます。
⑵ 相続人固有の権利も存在する
悩ましいことに,被相続人が亡くなった際に受取ることができるお金には,被相続人の債権に基づくものと,相続人固有の権利に基づくものがあります。
前者の債権に関するお金を受取ることはできません。
しかし,後者に関する債権であれば,相続財産ではないので,受け取ったとしても法定単純承認事由にはならず,相続放棄に影響しません。
相続人が受取人となっている生命保険金,相続人を受取人として定められている死亡退職金・未支給年金,葬儀を主宰する者に支給する旨が条例等で定められている葬儀費用補助金などは,相続人等固有の権利ですので受取ることができます。
3 実務上の問題
さらに,相続放棄の実務の現場ではもっと大きな問題があります。
それは,実際に相続放棄を検討している方が受取ろうとしている金銭が,本当に法定単純承認事由に該当しないものであるかを判断することです。
上述のように,理論上受け取ってよいお金と,そうでないお金を区別することはできます。
しかし,実際に受け取ってよいかを確実に判断するためには,都度書類等を精査し,場合によっては会社や市町村の窓口まで行き,請求できる金銭の法的性質を確認しなければなりません。
これは容易なことではありません。
そのため,相続放棄には厳格な期限があるので,相続放棄検討段階では請求をせず,相続放棄を終えたあとや,または並行して時間をかけて受け取り可能な金銭であるかを検討する方が望ましいです。
相続放棄に付随する問題は非常に複雑です。
被相続人に関する金銭について少しでもお悩みでしたら,相続を得意とする弁護士が在籍している弁護士法人心までお気軽にご相談ください。
相続放棄手続ではどのような書類が必要なのか
裁判所に対して相続放棄手続を行う場合には、相続放棄申述書という書面のほか,次のような書類を添付しなければなりません。
1 すべての相続放棄に共通して必要となる書類
・被相続人の除籍謄本(死亡の記載のある戸籍謄本)
・被相続人の住民票除票または戸籍の附票
・相続放棄を申述する相続人の戸籍謄本
申述人が被相続人の配偶者であったり、戸籍から抜けていない子であったりする場合、被相続人の除籍と相続人の戸籍が一つの戸籍謄本に載っていることもあります。
2 子が亡くなった場合の直系尊属の場合
上記1に加え、次の書類が必要となります。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
この場合は注意が必要です。
収集する戸籍謄本類が,他のケースに比べて多くなるためです。
戸籍謄本類の収集に必要な期間を考慮し,早めに着手する必要があります。
3 兄弟姉妹の相続放棄の場合
上記1に加え、次の書類が必要となります。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本
この場合も、戸籍謄本類の収集に必要な期間が長くなるため、注意が必要です。
4 代襲相続人が相続放棄をする場合
1または2または3に加え、次の書類が必要です。
・被代襲相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
5 被相続人死亡日と,相続開始を知った日が異なる場合
・被相続人死亡の事実が書かれた市役所からの通知書や,債権者からの支払い請求書など
もし相続財産に手を付けてしまった場合は
1 遺産を売却換価してしまった場合
遺産には、財産的価値のあるものがあります。
典型的なものとして、被相続人の不動産(自宅土地建物等)や,自動車、貴金属類などがあります。
これらの財産を売却し換金する行為は,相続放棄が認められなくなる可能性のある、法定単純承認事由に該当する行為とされます。
売却してしまったら、原則として相続放棄は困難となります。
もっとも、売却先に事情を説明し、売買契約をなかったことにして、返金するとともに売却した財産を戻してもらえることもあります。
どうしても相続放棄をしなければならない事情がある場合、あきらめずに交渉する価値はあります。
2 遺産分割協議をした
遺産分割協議を行い,遺産分割協議書に署名押印をして遺産分割を完了させる行為は、被相続人の遺産を取得する意思の現れとされます。
これも、法定単純承認事由に該当する行為と考えられ,原則として相続放棄は認められないことになります。
一方,遺産分割協議後に,相続債務が発見されるという場合もあります。
被相続人が他の債務者の連帯保証人となっていた場合などは,主債務者が支払いを滞納するまで債権者から連絡がこないことが多く,遺産分割協議を終えるまでの間には発覚しないこともあります。
このような場合,相続債務の存在を知っていたならば遺産分割協議をしなかったということで,遺産分割を錯誤無効とし,法定単純承認事由に該当する行為が消滅する結果,相続放棄が可能となる場合があります。
所在地
〒260-0045千葉県千葉市中央区
弁天1-15-3
リードシー千葉駅前ビル8F
(千葉弁護士会所属)
0120-41-2403
相続放棄をお考えの方はご相談ください
相続放棄というのは遺産を一切受け継がないという意思表示をする手続きで,たとえば亡くなった方が財産よりも借金の方を多く残していた場合などに使用されることがあります。
相続放棄の手続きに不備があるなどして相続放棄が認められなかった場合,思いもよらない損害が生じてしまうおそれがありますので,手続きには注意が必要です。
相続放棄をするにあたっては,亡くなった方などの戸籍や申述書といった,さまざまな書類が必要となります。
期限内にそれらを漏れなく用意し,スムーズ,かつ,適切に相続放棄をおこなうためにも,一人で行うのではなく,弁護士に依頼されることをおすすめします。
当法人では,相続放棄に関するご相談を原則として相談料無料で承っております。
相続放棄をお考えの方はもちろん,どうするかお悩みの方も,一度当法人までご相談ください。
相続案件を得意とする弁護士がお話をお伺いし,ご説明やご提案等をさせていただきます。
夜間のご相談もしていただくことができますので,お仕事の帰りなどにも相続放棄についてご相談いただけます。
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