相続放棄の注意点

文責:所長 弁護士 白方太郎

最終更新日:2023年06月21日

1 相続放棄とは

 相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったことになります。

 包括的に相続する権利を失うという、非常に強力な効果を持っています。

 また、一度裁判所によって相続放棄が認められてしまうと、取り消すことは事実上非常に困難です。

 そのため、明らかに相続放棄をした方がよいという場合はともかく、判断がつきにくい場合には、うかつに相続放棄手続きを行うべきではないとも言えます。

2 やってはいけないこと

 相続放棄をする可能性が残っている場合、法定単純承認事由に該当する行為は行わないようにします。

 法定単純承認事由に該当する行為とは、相続放棄が認められなくなる行為のことであり、代表的なものとして、相続財産の処分があります。

 具体的には、被相続人の預貯金を引き出して費消することや(葬儀費用等の例外はあります)、財産を売却換価または廃棄処分をするということが挙げられます。

3 やったほうがよいこと

 相続放棄の期限は、相続の開始があったことを知った日から3か月です。

 その間、被相続人の財産を調査します。

 被相続人の住居や持ち物を一つ一つ確認し、預金残高、有価証券、不動産、借金の存在を示す資料を探します。

 もし、預金等の財産の存在を示す資料がほとんどなく、逆に貸金業者からの請求書等が多数見つかった場合などは、相続放棄をするという判断をすることになるでしょう。

 目ぼしい財産がない場合や、被相続人の死亡地が遠く離れていて調査が難しい場合は、信用情報を取り寄せて負債の状況を調査するという手もあります。

4 相続放棄をするか否かの判断がつかない場合

 相続放棄の期限は、相続の開始を知った日から3か月しかありません。

 この期間だけでは相続人の財産を調査し切れず、相続放棄をするか否かの判断がつかないことがあります。

 そのような場合、家庭裁判所において、相続放棄の申述の期限の延長をする手続きをします。

 相続財産の調査に時間を要しており、相続すべきか、相続放棄をすべきかの判断がついていないという理由であれば、通常であれば、相続放棄の申述の期限の延長が認められます。

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